
昔々、あるところに小さな村がありました。
特に何もなく貧しい村でしたが、村人たちは皆明るくて、他人に親切でした。
そんな村に、ある日誰でもいろんな事を書ける黒板がやってきました。
村には以前から黒板はありましたが、学校だけにしかなくて、一人一人が思うままに書けるものはなかったのです。
黒板が村にやってきた日、村人は挙って黒板の周りに集まりました。
「僕たちは何でも好きなことを書いていいんだ!」と、村人たち喜び、皆それぞれ好きなことを書き込んでいきました。
しかし何年か経ったある日、ついにその黒板に書く場所はなくなってしまいました。
村人たちはがっかりしましたが、ある村人が画期的な思い付きをしました。
「そうだ、皆がそれぞれで一つずつ黒板を持てばいいんだ!」
そして、村人たちはそれぞれ自分の黒板を持つことになりました。
ですが、一人一人が持つことができるようになったとはいえ、黒板は重たいので、皆村の広場においていました。
誰もが自由にかける黒板を持て、幸せな生活を過ごしていたある日、ある女の子、チェリーが親しくしている友人レミにこんなことを言いました。
「私はあなたの書いてることが気に入らない!今すぐ消さないとレミの黒板を壊しちゃうよ!」
しかしそんなことを言われても、レミはよくわかりません。
何せ、黒板はどんな事でも、自分の思うまま書いていいと教わっていたからです。
しかしレミは黒板を壊されたくなかったので、渋々、チェリーのいうことを聞きました。
「ごめんね、チェリー。これからは気を付けるよ」
実はこの話を、村長さんが聞いていました。
村長さんはこの時あることで悩んでいました。
皆があまりにも自由に書きすぎて、時折村長さんの悪口まで書かれることもありました。
それが広場にあり、皆が見るので村がとてもひどい事になっているのです。
村長さんは幼い二人の話を聞いて、
「そうだ、村の秩序を乱す事を書くやつは、村から追放してやろう」と、村長さんは思いつきました。
それから村は、以前の平和を取り戻しました。
もう誰も誰かをののしるようなことを書いたりしません。
書くような悪人は、村から追放されてしまったからです。
そして村人は協調しあい、貧しくてもめげない、元の村へと戻りました。
そして何年か経ったある日。
村人は村長さんだけになってしまいましたとさ。
めでたしめでたし。